テーマ | 排泄障害とその対処:理論と実践 |
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日時 | 2013年2月15日(金) 16:30~18:30 |
会場 | 名古屋国際会議場 第1会場:センチュリーホール 2階 |
排泄障害のアセスメント (35分)
西村 かおる(日本コンチネンス協会)
神経因性膀胱の病態と排尿管理 (35分)
後藤 百万(名古屋大学大学院医学系研究科 泌尿器科学 教授)
排便障害と対処 (35分)
神山 剛一(亀田総合病院 ウロギネコロジー副センター長)
骨盤底筋訓練とバイオフィードバック (15分)
谷口 珠実(第一医院、杏林大学医学部泌尿器科非常勤講師、慶応義塾大学看護医療学部実習指導員)
司会の言葉
排泄障害は生命に関わることはまれであるが、人間の尊厳に関わる問題で、日常生活の様々な活動に影響を及ぼしQOLを著しく障害し、高齢者においては本人のみならず介護者のQOLも阻害する。また、高齢者における不適切な排泄管理は、治療機会の喪失、寝たきりや認知症の誘発につながることも少なくない。
医療の現場では、適切な排泄管理が行われているのであろうか。愛知県で行われた老人施設、訪問看護センター、100床以上の病院での排尿管理実態調査では、カテーテル留置とおむつ使用者の割合は、老人施設入所高齢者13,466名では1.9%と51.2%、被在宅看護高齢者2,322名では9.7%と56.0%、さらに病院入院患者13,317名では、17%と30%であった。しかし、カテーテル留置やおむつ使用の理由は必ずしも適切ではなく、その約30~40%は取り外し可能であることが示された。このように、老人施設や在宅看護において、安易なカテーテルやおむつ使用が少なくないことが示唆され、さらにその大多数が病院で開始されていることも明らかとなり、病院における排尿管理が不十分である問題が明らかとなった。排尿・排便に関わる排泄障害は、小児から高齢者まで広い年代にみられ、またその原因は多岐にわたり、下部尿路・直腸機能障害から全身疾患に関わる場合もある。まさに人間の尊厳に関わる排泄障害の改善は、医療におけるQOLの重要性が問われる現在、喫緊の課題である。
適切な排泄管理を行うためには、医師・看護系専門職は、病態を理解した上で、適切なアセスメントと対処を行うことが求められ、そのためには排泄障害の基本的な知識と技術を身に着け、さらに個々の症例にそれらを応用して実践しなければならない。本セミナーでは、西村かおる先生に「排泄障害のアセスメント」、後藤百万先生には「神経因性膀胱の病態と排尿管理」、神山剛一先生に「排便障害と対処」、谷口珠実先生に「骨盤底筋訓練とバイオフィードバック」のタイトルで、理論と実践について講演していただく。
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会総会
教育委員会